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【参考答案】
1(1) Bは、Dに対し、共有持分権に基づく物権的妨害排除請求権として、本件不動産上のD名義抵当権設定登記につき、Bの持分2分の1を除外する更正登記手続請求をすると考える。
(2) その要件は、①Bが本件不動産に持分を有していること、②D名義の抵当権設定登記が存在することである。
(3) 2022年2月1日時点において、本件不動産は、A所有であった。
そして、2022年2月1日にAが死亡したことにより、妻Bと娘Cは本件不動産を共同相続した(民法(以下法令名省略)898条1項)。法定相続分(900条1号)に従い、Bは本件不動産につき2分の1の共有持分権を有する(①充足)。
また、DE間抵当権設定契約により、本件不動産には、D名義の抵当権設定登記が存在している(②充足)。
したがって、Bの物権的妨害排除請求権は、要件を充足するといえる。
2(1) これに対し、Dは、Bは自己の持分について登記を備えていない以上、177条の「第三者」であるDに対して取得した持分を対抗できないとの対抗要件の抗弁を主張すると考える。
そこで、177条の「第三者」とは、どのような者をいうか、条文上明らかでなく問題となる。
(2) 177条の趣旨は、自由競争の枠内にある者の不測の損害を防ぐことにあるため、同条にいう「第三者」とは、当事者及びその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者をいうと解する。
(3) 共同相続人Cは、本件不動産のうちB持分2分の1について、無権利者である。そのため、Eの行った単独所有権移転登記は、Bの持分に関する限りで無権利の登記である。
そして、不動産登記には公信力が認められていないことから、DがCから受けた抵当権設定登記のうち、Bの持分に関する部分は無権利者からの取得にすぎない。
したがって、DはBの持分に関しては無権利者であり、「登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者」に該当せず、177条の「第三者」には当たらない。
(4) 以上より、Dは177条の「第三者」に該当せず、対抗要件の抗弁は認められない。
3 よって、Bは登記なくしてDに自己の持分2分の1を対抗でき、BのDに対する更正登記手続請求は認められる。
以上

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