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【参考答案】
第1 Zの独立当事者参加の可否について
1 Zは、X・Y間の訴訟に独立当事者参加(民事訴訟法(以下法令名省略)47条1項)をすることが認められるか。本件において、ZはYに対して所有権移転登記手続請求を定立することになるところ、47条1項後段の「訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であると主張する場合」に該当するかが問題となる。
なお、47条1項では「訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として」と定められているから、「訴訟の当事者の……一方」のみを 相手方として請求を定立する片面的独立当事者参加も認められる。
2 47条1項後段の趣旨は、判決の矛盾抵触を防止し、紛争を統一的に解決する点にあることから、「訴訟の目的……が自己の権利である」とは、参加人の請求が本訴請求と請求の趣旨の次元で、論理的に両立し得ない関係にあることをいうと解される。
3 不動産の二重譲渡の場合、X及びZのYに対する所有権移転登記手続請求権は、実体法上の債権としては併存し得るため、厳格に考えれば論理的に両立するとも思われる。しかし、特定物の二重譲渡においては、一方が対抗要件を備えれば他方は権利を取得できなくなる関係にあり、目的物を巡る紛争としては排他的関係にある。
したがって、Xの請求とZの請求は、請求の趣旨の次元で論理的に両立しない関係にあるといえ、「訴訟の目的……が自己の権利であると主張する場合」に当たる。
4 よって、Zの独立当事者参加は認められる。
第2 Zの請求態様による違いについて
1 ZがYに対する移転登記手続請求に加え、Xに対しても家屋所有権確認請求を併合提起した場合、参加の許否に影響があるか。第1-2の規範に従って、検討する。
2 この点、前述の通り、ZのYに対する請求のみであっても参加要件は満たされる。
これに加え、ZがXに対して所有権確認請求を定立する場合、Xの「Xが所有者である」との主張と、Zの「Zが所有者である」との主張は、同一の権利関係について対立するものであり、論理的に両立し得ないことは明白である。
3 したがって、この場合においても、Zの独立当事者参加は適法であり、結論は異ならない。
以上

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