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【参考答案】
1 Yは、前訴判決の効力がXに及ぶことを根拠として、Xの請求は認められないと主張している。本件において、Xは前訴でYに補助参加しているため、原則として、補助参加に係る訴訟の裁判の効力は参加人であるXにも及ぶ(民事訴訟法(以下法令名省略)46条)。もっとも、同条は単に「効力を有する」と規定するのみであり、その「効力」の法的性質や客観的範囲については明文上明らかではない。そこで、その法的性質・客観的範囲が問題となる。
2 46条の「効力」の趣旨は、被参加人が敗訴した場合に、参加人は被参加人と共同して訴訟を追行した以上、その結果の責任を公平に分担すべきであるという点にある。
そこで、この「効力」は、既判力(114条1項)そのものではなく、特有の参加的効力であると解する。
そして、その客観的範囲については、前述した趣旨からすれば、参加人が被参加人と共同して争った点についての判断に拘束力を認めるべきである。したがって、判決主文中の訴訟物に対する判断だけでなく、判決主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断などにも及ぶと解する。
具体的には、①当該事実または法律関係の存否が主要な争点として審理され、②参加人がその点について十分に主張・立証を尽くした、あるいは尽くすことができた場合には、参加的効力が及ぶと解する。
3 前訴において、XはYに補助参加し、本件建物の所有権がXにあることを主張してYの勝訴に向けた訴訟活動を行っている。しかし、前訴判決においては、本件建物はAの所有に属するとの判断がなされ、Yが敗訴している。
一方、本件後訴におけるXの「建物は終始Xの所有にある」との主張は、前訴判決の建物はAの所有であるという判断と矛盾するものである。
ここで前訴において、建物の所有権がAとXのいずれにあるかは、AのYに対する明渡請求権等の存否を判断する前提として不可欠であり、判決主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断に当たる。また、これは前訴における極めて重要な争点となっていたあった。そして、Xは第2回期日から補助参加しており、自己の所有権を基礎づける主張・立証を行う機会が十分に保障され、実際にYの勝訴のために訴訟行為を行っている。また、YがXの訴訟行為を妨げた等の事情(46条各号)も認められない。加えて、XとYは、Aからの明渡請求を拒むという目的において共通しており、協同して攻撃防御を尽くすことが期待できるだけの利害の一致も認められる。
したがって、前訴判決の理由中の判断である「建物はAの所有である」という点について参加的効力が生じ、Xは後訴においてこれと矛盾する「建物はXの所有である」との主張をすることはできない。
4 よって、YはY・A判決の効力によりXの請求は認められないと主張することができる。
以上

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