参考答案 Law Practice 民事訴訟法〔第5版〕 問題62 主観的予備的併合(同時審判申出共同訴訟)

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【参考答案】

 1(1) 本問においてXは、Y₁に対する主位的請求が認容されることを解除条件として、予備的被告Y₂に対する予備的請求の審判を求めている。このような、共同訴訟人に対する請求に順位を付して、一方の請求が認容されることを解除条件として他方の請求の審判を求める主観的予備的併合は認められるか。

  (2) この点、予備的被告は、主位的請求の当否が定まるまで自己に対する審判がなされるか否かが不確定な状態に置かれ、その地位が著しく不安定となる。また、かかる併合形態は通常共同訴訟(民事訴訟法(以下法令名省略)39条)の性質を有するため、合一確定が必要的ではなく、弁論の分離(152条1項)等により判断の不統一が生じるおそれがある。その結果、原告の企図する紛争の統一的解決が制度的に担保されない可能性がある。
 したがって、主観的予備的併合は不適法であり、XがY₁・Y₂に対して順位を付け、主位的被告Y₁に対する請求認容を解除条件として、予備的被告Y₂に対する請求に対する判決を求めることは認められない。

 2(1) 主観的予備的併合が認められないとして、同時審判申出訴訟(41条)による救済を図ることが考えられる。そこで、本問において同条の適用は認められるか。41条1項は、共同被告に対する各請求が「法律上併存し得ない関係」にあることを要件とするところ、どのような場合を指すか、その意義が問題となる。

  (2) この点、41条の趣旨は二者択一的な関係にある請求について判断の不統一による両負けを防止することにある点に鑑みれば、請求自体が両立しない場合に限らず、各請求の原因事実が相互に排斥し合う関係にあり、一方の請求が認められれば論理必然的に他方の請求が認められない関係にある場合も含むと解する。

  (3) 本問についてみると、XのY₁に対する請求は、Xに本件土地の所有権が帰属していることを要件とするものである。他方、Y₂に対する請求は、Y₂の処分行為によりXが本件土地の所有権を喪失したことによる損害賠償請求であり、Xに所有権がないことを前提とするものである。
 そうすると、両請求は、Xにおける本件土地所有権の有無という事実関係において相互に排斥し合う関係にあり、一方が認容されれば他方は棄却されざるを得ない関係にある。したがって、両請求は「法律上併存し得ない関係」にあるといえ、Xによる同時審判の申出は認められる。

以上

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